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大阪地方裁判所 昭和49年(ミ)2号 判決 1974年6月03日

申立人

日本計算器株式会社

右代表者

小島義雄

右代理人

田辺満

主文

日本計算器株式会社に対し更生手続を開始する。

理由

申立の要旨

第一  申立会社の概況

一  会社の目的

申立会社の目的は、電子式および機械式手動計算機、電子式制御機器、電子応用測定装置、その他電子応用装置、時計および時間製御機器の製造販売、ならびにこれに附随する業務およびその輸出入業務が主要なものである。

二  会社の沿革

1  申立会社は、申立会社代表取締役小島義雄の先代和三郎が設立経営していた機械式手動計算機、事務機、販売を目的とする昌和洋行がその前身をなすが、昭和一八年開発された手動式卓上計算機および事務機の製造販売を目的として、昭和二〇年四月二二日本社を京都府中郡峰山町丹波(現峰山工場所在地)に置き資本金六五万円をもつて設立され、計算機については漸次生産額が上昇するにつれ次第に資本金を増額し、従業員も増加し、昭和四二年には資本金を三、〇〇〇万とし、従業員も四〇〇名を越え、年間三万台を生産し、国内における機械式手動計算機製造販売のほぼ二分の一を占めていた。

2  申立会社は昭和三九年に現本社所在地に茨木研究所を置き、本格的に電子式卓上計算機の設計および生産計画に当らせ、昭和四〇年九月電卓の開発に成功し、同四二年より茨木工場において量産に入り、製品はビジコンブランドをもつて、東京に本社をおく日本計算器販売株式会社(現ビジコン株式会社)をして国内販売および輸出業務に当らせていた。

翌四三年には一段の飛躍をはかつて本社を峰山町から大阪市北区小松原町二七富国生命ビルに移し、峰山および茨木の工場をそれぞれ峰山製作所、茨木製作所と呼称し、峰山においては従来の機械式手動計算機の製造および卓上記録式計算機の開発を、茨木においては電子式卓上計算機の製造およびエレクトロニクス応用の製品開発を行うことゝなつた。また、海外市場の開拓をはかり、販売会社であるビジコン株式会社と共に米国およびメキシコに現地法人ビジコン・USA、インダストリアス・ランソン・ビジコンを設立し、一方世界最大の事務器メーカーの一つであるNCR(ナショナル・キャッシュ・レジスター・本社米国デイトン市)およびヨーロッパの有力電卓メーカーであるIME(本社イタリア)と販売提携を行い、NCR・IMEのブランドをもつて電子式卓上計算機の製造、輸出が行われるに至つた。

3  申立会社は小規模ではあるが電卓専業メーカーとして業界に確乎たる地位を築いていた。最近においては液晶表示の時計の生産および将来性のある電子秤の生産を行つており、更に電卓用のサーマルプリンター(感熱式印刷機)特許の計算機に関する全世界独占契約をNCR社との間で締結してその試作を終り、量産開始の準備を進めていたのである。

三  申立会社の資本関係

現在、申立会社の発行済株式の総数は一、九七六、〇〇〇株であり、資本の額は九、八八〇万円である。

四  申立会社の株主

昭和四九年二月末日現在株主総数は一〇二名、三万株以上の主たる株主は左の通りである。

(株主名)   (株数)

小島義雄 二九三、一〇八

黄地金右衛門 一一三、七〇〇

小島昌子 八一、六九八

小島道子 七四、二八八

福井律 六〇、七九八

株式会社三越 六〇、〇〇〇

昌和商事株式会社 五四、六〇〇

海部圭子 四九、三二〇

丸岡英一 四一、〇四〇

黄地幸造 三九、九〇〇

長谷川淳一 三九、〇〇〇

黄地澄 三八、四九八

小島有里 三七、九九八

執行英毅 三七、九九八

小島和 三七、五〇〇

田中俊子 三六、五九六

小島敬和 三六、〇九八

小島裕二 三三、四九八

五  会社の役員およびその持株数

申立時における申立役員の氏名  (株数)

代表取締役 小島義雄 (二九三、一〇八)

取締役 亀岡庸夫 (一〇、五九四)

同     小島輝彦 (一八、〇〇〇)

同     市原孝一 (一、八〇〇)

同     松村治男 (一、八〇〇)

同     堀場雅夫

同     小島敬治 (三六、〇〇〇)

同     宇野泰

同     寺田厚生 (一、五〇〇)

監査役 竹内良男 (六〇〇)

六  工場

茨木市総持寺に本社・茨木工場、京都府中郡峰山町に峰山工場がある。

七  従業員

申立時における会社の従業員

二八一名

管理職 三八名、一般従業員二四一名、

給与ベースは月額八五、〇〇〇円前後で、現在同業他社の平均をやゝ下廻つている。

第二  業務の状況

一  主要生産品目

1  電子式卓上計算機

2  機械式手動卓上計算機

3  電子秤

4  液晶時計

二  取引先

1  主な仕入先

信州精機株式会社

東海通信工業株式会社

大西株式会社

住友商事株式会社

釜屋化学株式会社

横河ヒューレットパッカード株式会社

蝶理株式会社

東京電気株式会社

菱三電気株式会社

東邦産業株式会社

2  主な納入先

ビジコン株式会社

株式会社三越

株式会社日本ビゼルバ

NCR社

ブロートン社

3  取引銀行

東海銀行

大和銀行

阪神相互銀行

泉州銀行

第三  資産、負債の状態

一  申立会社の申立時直前の決算期(昭和四八年一一月三〇日)における貸借対照表、損益計算書から主要な数字を示せば次の通りである。

(資産)

(負債)

1

流動資産

一、六一六、〇三〇、五〇六

1

流動負債

一、三九七、五六二、六六七

現金及び預金

三五九、四九六、〇一八

買掛金

七三七、六六四、二八一

受取手形

二四九、七六八、二六〇

短期借入金

四五二、三一九、九七〇

売掛金

一〇二、一一四、七九一

未払金

一五九、二五三、四〇五

その他

預り金

四六、六九四、九四一

2

固定資産

六四八、六四八、四三〇

その他

建物

一八五、二九七、八一八

2

固定負債

五二八、一一六、五七〇

機械装置

八〇、五五一、一四六

長期借入金

五二〇、一一六、五七〇

工具器具

一九四、六九三、〇四一

3

引当金

三二、八四九、〇六一

土地

一七、八五五、二二二

4

資本金

四九、四〇〇、〇〇〇

その他

5

法定準備金

一一九、六〇七、一九八

3

無形固定資産

三五、一二九、六四五

6

剰余金

二五五、五三六、四三一

長期前払費用

三四、三〇六、八七五

配当積立金

二七、〇〇〇、〇〇〇

その他

退職積立金

三二、〇〇〇、〇〇〇

4

その他の資産

一二八、一三〇、一三三

別途積立金

一三四、五〇〇、〇〇〇

5

繰延資産

一一八、三九二、九九一

当期利益

四、九七二、六一五

その他

合計

二、三八三、〇七一、九二七

合計

二、三八三、〇七一、九二七

(損失)

(利益)

売上原価

二、八五八、七七一、六〇二

売上高

三、二三二、二七二、七一九

経常損失

三七、一七九、九七三

なお右決算は紛飾がなされており、経常損失はかなりの額を計上することになる筈である。

二  債権者(昭和四九年一月三一日現在)

1  (長期借入)

住友生命保険相互会社 二四、〇〇〇、〇〇〇円

阪神相互銀行(梅田支店) 二三六、〇〇〇、〇〇〇円

丹後中央信用金庫 一四、〇〇〇、〇〇〇円

大和銀行(梅田支店) 六、〇〇〇、〇〇〇円

住友銀行(梅田北口支店) 八、〇〇〇、〇〇〇円

日本貿易信用(株) 二〇〇、〇〇〇、〇〇〇円

中小企業金融公庫(京都支店) 一六、一四〇、〇〇〇円

その他 三、四六六、〇二一円

合計 五〇七、六〇六、〇二一円

2  (短期借入)

東海銀行 一八、〇〇〇、〇〇〇円

三和銀行 一〇、〇〇〇、〇〇〇円

大和銀行 三四、九八〇、〇〇〇円

摂津信用金庫 三〇、〇〇〇、〇〇〇円

京都銀行 五、〇〇〇、〇〇〇円

阪神相互銀行 七〇、〇〇〇、〇〇〇円

興紀相互銀行 七五、〇〇〇、〇〇〇円

泉州銀行 六一、六五〇、九一八円

高知相互銀行 四八、〇〇〇、〇〇〇円

丹後中央信用金庫 二四、七〇〇、〇〇〇円

昌和商事(株) 七、〇〇〇、〇〇〇円

小島義雄 三九、二六二、六八五円

合計 四二三、五九三、六〇二円

3  取引上の債権者

イワサ磨鋼材(株) 二七、八八九、七〇二円

大西(株) 三五、一〇九、五三一円

釜屋化学(株) 三三、六二八、七一三円

釜屋電機(株) 二三、五七三、九九一円

(株)弘進電材社 一五、九七七、七九五円

信州精機(株) 四四、六四四、六三二円

住友商事(株) 七三、六一一、二七八円

東京電気(株) 二五、四二二、八〇〇円

東邦産業(株) 五三、四〇〇、〇〇〇円

東海通信工業(株) 一一六、四六三、〇五六円

長尾商事(株) 一六、六三四、八三六円

日商岩井(株) 四二、六八八、七九二円

(株)日本ビセルバ 三二、〇〇六、〇四六円

阪神電線(株) 一九、四五三、八二二円

ビジコン(株) 一七七、八六八、一三七円

豊栄産業(株) 一二、四一一、〇四七円

横河ヒューレットパッカード 四一、八〇六、七一一円

(株)菱三電気 五七、一〇九、三六一円

大和電線電気(株) 五、二一九、一二〇円

丹後機械(株) 九、七一八、二二四円

富士電気化学(株) 五、五七七、〇一〇円

万世電機工業 五、七二五、四二六円

(株)神戸交通電機工業 五、八八一、八三〇円

昌和商事(株) 九、六三〇、二三三円

小計 八八一、四五二、〇九三円

その他五〇〇万円以下の債権者四〇一名、負債額二一二、二六三、七〇九円

計 一、〇九三、七一五、八〇二円

4  公租公課 六一、三八一、六二四円

5  退職金および未払給与 二一、六七一、七〇六円

6  保証債務 三一〇、〇〇〇、〇〇〇円

負債総額 二、四一七、九六八、七五五円

三  資産

1  三帖簿価格(昭和四九年一月三一日現在)による資産総額二、〇七八、三三七、五三一円である。

(一) 銀行預金 三五九、四九六、〇一八円

(二) 受取手形 一〇七、六九六、三三〇円

(ビジコン振出手形を除く)

(三) 売掛金 一〇二、一一四、七九一円

(四) 製品仕掛品半製品その他 二一、四七四、二七四円

(五) 機械装置及び工具器具等 二七八、〇二四、〇三五円

(六) 差入保証金 四〇、〇〇〇、〇〇〇円

(七) 不動産(別紙物件目録記載のとおり)

土地 一七、八五五、二二二円

建物 一八九、五〇九、三九五円

計 一、一一六、一七〇、〇六五円

2  実有価格 三、四五七、六〇一、五六六円

第四  会社が窮境に陥つた事情

一  生産面における原因

1  申立会社は、昭和四四年秋頃までは従来の主力製品であつた峰山製作所における機械式手動計算機が国内のシェアの殆んど五〇パーセントを占め価格および生産量も安定していたため、当時量産開始後間もない茨木製作所における電卓の損失をカバーし安定した経営の状態にあつた。

2  ところが、電卓の先発メーカーであるシャープ、カシオ等の量産および技術開発によつて価格は急激に安価となり、かつ、電卓の普及が著しく、手動式計算機の需要は急激に衰えるに至り、申立会社は昭和四四年一二月より、月産二、〇〇〇―二、五〇〇台を月産五〇〇台に減産せざるを得ない状態になり、昭和四七年四月以降は手動式計算機の全面的な生産中止の事態に陥つた。その後英国から教材用としての発注により同国に輸出のため生産しているが、国内における唯一のメーカーであることを考えてもこれに多くを望むことは極めて困難である。申立会社は峰山における手動式計算機の次期商品として電気式卓上記録計算機の開発を進めていたが成功するに至らず、また下請受注の努力も実らず、峰山製作所は昭和四四年一二月以降毎年経常損失を計上し、会社の資金圧迫の一つの原因となつた。

3  茨木製作所における電卓製造は、昭和四五年初より急速に伸展し、新機種開発によつて昭和四六年は前年に倍増する勢いであつたが、昭和四七年後半から電卓製造に不可欠の材料である表示管の絶対的不足が生じたゝめ材料入手難になつて、生産量は押えられる結果となつた。更に同年八月の米国のドル防衛のため業界の輸出規制が強められ、一方業界の競争激化により価格競争を招いて売上高が停滞する事態を招いた。

4  このような事情から次第に申立式社の資金繰りは悪化したのであるが、昭和四八年二月以降は金融引締めが始まつて銀行の窓口規制が行われるようになり、更に運転資金捻出が窮屈となつた。

加えて同年八月出光石油徳山工場爆発事故が発生するに及んで合成樹脂関係、電線等の材料の入手難となつて生産量も落ち、欠損を増大せしめた。

5  このような慢性化した資金繰りの悪化は、支払いの遅れを招き、買掛金の未払いは材料入手に影響し、昭和四八年二月以降は生産力を持ちながら原材料の入荷が遅れるため生産が滞り勝ちになるという傾向を強めて来たのである。

二  販売面における原因

申立会社は、昭和三六年に創立された日本計算器販売株式会社(現ビジコン株式会社)と申立会社の製造品の独占販売契約を結び、一手に販売を引受けさせていて資金回収は殆んど同社からの支払に頼つており代表取締役が共通であるところから運転資金についても銀行関係よりむしろ同社への依存度が強かつた。

ビジコン株式会社は三菱電機および日本電機の大型電算機を取扱い、また自社でも電卓製造を行つていて、そのための設備投資、電卓販売のため欧米各地の会社への投資など資金需要が極めて強く、申立会社への支払はやゝもすれば停滞する傾向にあつた。

昭和四七年に至つて独占販売はゆるめられたものゝ、独自の販売代理店をもたない申立会社はビジコン社の販売力に頼らざるを得なかつた。このような販売力のなさも申立会社の資金繰り悪化の一つの要因をなしている。なおビジコン社は、経営が悪化しその工場設備を売却し、振出手形の資金に充当し資産の殆んどを失つて倒産した。

申立会社の資金不足の慢性化の原因は、資本金が過少である点にあること、また開発した新製品の液晶時計、サーマルプリンター生産のための設備資金調達のため昭和四八年七月第三者割当の新株三〇万株の発行を行い、取引先および債権者にこれを割当て発行し価格総額三九、〇〇〇万円の資金獲得をねらつたが失敗し、資本金の額は九、八八〇万円となるのみにとどまつた。

三  管理面における原因

峰山製作所の減産に伴い人員削減をはかり人員整理、一時帰休を実施したが、組合は不当労働行為であるとしてこれを争い、労働委員会における救済命令が発せられたので申立会社はその目的を果すことができなかつた。しかし昭和四四年末二〇七名の人員は次第に減少し、現在の峰山工場における人員は一〇六名である。

電卓業界における新機種の開発、製品のモデルチェンジは極めて短時間でそのため要員を多く必要とし、また電卓に代る新製品の研究開発のために多くの人員を投入せざるを得ず、これが製品のコスト増大の原因となつた。

第五  更生手続開始の原因たる事実

一  申立会社は事業の継続に著しい支障を来たすことなく弁済期にある債務を弁済することができない状態にある。

二  申立会社における昭和四九年二月二七日現在で今後満期の到来する支払手形の合計額は、二三、〇〇〇万円であるが、これの財源としての現金はない。

預金は三三、〇〇〇万円あるが、借入金の担保に供せられてい直ちに使用できるものはない。右の他受取手形、売掛金、貸付金等も考えられるがいづれも早急に回収することは不可能であり、受取手形についても銀行より割引を受けることは不可能である。また前記ビジコン株式会社振出申立会社裏書の今後満期の到来する手形四七〇〇〇万円についてもビジコン社が倒産したため、債権者が申立会社に対し直ちに請求することは必至であるが、いづれにしても直ちに支払に応ずることは不可能である。

第六  更生計画に対する意見等

一  意見

申立会社の代表取締役小島義雄および同族会社の昌和商事株式会社が資産を担保として大口債権者に提供しておりこれらの不動産を有利に売却し、また申立会社の遊休資産も同様に処分できれば運転資金、設備資金および退職金捻出は可能であり、債権者、株主に公平妥当な範囲で負担を忍んでもらい会社の再建を計りたいと念願している。

特に従業員については、年末賞与の支払いも遅れており、今後の賃金支払についても予断を許さないが、会社更生のため耐え忍んでもらい必要人員は温存したいと考えている

二  更生の見込み

申立会社は電子式卓上計算機製造および電子技術応用製品専門メーカーとしての技術的信用が大きいので、電卓については有力メーカーの下請生産に専念し、また将来性のある液晶時計、電子秤およびサーマルプリンターの生産を行い、管財人および経理面に適当な人材を得て、抜本的対策の下に一致協力すれば会社の更生は十分可能であると考える。

三  よつて、申立会社に対し更生手続を開始する旨の決定を求める。

当裁判所の判断

本件疎明資料、調査委員による調査報告書、申立会社代表者小島義雄の審尋の結果、その他当裁判所の調査の結果によれば、申立の要旨第一ないし第五の諸事実の他、昭和四九年二月二七日現在の申立会社の財政状態は別紙貸借対照表のとおりであることならびに次の事実を認めることができる。

申立会社はもともと資本金が少いうえ主力商品である電子式卓上計算機は競争が激しく、その販売も従来ビジコン株式会社に百パーセント依存していたところ同会社が倒産したので販売網を失い、今後大手のメーカーに対抗して独自の製品を開発し、製造販売することは、少くとも現段階においては非常に困難である。また、新製品である液晶時計、サーマルプリンターを主力の商品にすることも、当分期待できない、そのうえ、申立会社の労使間には紛争が昭和四二年以降多く発生し、未解決のものが多く、労働組合が四つも存在し、その統一も早急には予想できない。

このように、申立会社は、その資金、生産、販売、労使関係のいずれにおいても多くの問題を抱えているうちに著しい債務超過であることから、その再建には幾多の困難が予想される。しかし同会社が優秀な技術をもつ従業員および生産設備ならびに若干の遊休資産を有すること、債権者および従業員の多くは再建に対し協力する意向をもつていること、今後経費を節減し、厳密な原価計算と資金計画に基き、有力なメーカーの下請や電子秤の生産により利益を上げつつ、前記の諸問題の解決をはかり、やがては独自の製品を商品化することも不可能ではないこと等を考慮すると更生の見込みがないとは認められず、その他に会社更生法三八条各号所定の申立を棄却すべき事由も認められない。

よつて、本件申立を認容することとし、主文のとおり決定する

(首藤武兵 菅野孝久 岩谷憲一)

物件目録、貸借対照表<略>

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